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岩崎弥太郎と三菱四代

約十万坪のなにもない平原を、当時の人々は三菱ヶ原と呼んだ。

そんな平原の中に一つだけ、目にも鮮やかな瓦礫で作られた地上三階地下一階の英国風建築が忽然と現れた。三菱第一号館である。設計は、鹿鳴館を担当した有名な英国人コンドルだった。翌年には第二号館、さらに翌年には第三号館が竣工。以後明治四十四年まで馬先通り沿いに第十三号館までがずらりと並び、人々はこの景色をみて、一丁ロンドンと呼んだ。(本文より)

この場所が後の丸の内となる場所である。岩崎弥太郎の弟、弥之助が当時の政府から買い取った土地を一大ビジネスセンターにしようともくろんだ地であった。そして現在の丸の内は弥之助がもくろんだ通り多くのオフィスビルやショッピングセンターでにぎわっている。

この本は、岩崎弥太郎とその親類たちが築き上げた「三菱」という巨大企業がどのようにして現在の発展に至ったかを、当時彼らの周りで起こった歴史的事件とともにたどっていくドラマです。私はこの本を2日で読破してしまいました。今ちょうど大河ドラマ「竜馬伝」で、岩崎弥太郎役で出演されている香川照之さんを、この本の岩崎弥太郎に見たて想像しながら読むと、あっという間に読み終わってしまいました。本当に面白かったです。竜馬伝見てる方はぜひ読んでほしい1冊ですね。もちろん坂本竜馬も出てきます。二人の絆も垣間見ることができますよ。
また、この本はただの史話ではなく、その時その時の弥太郎たちの活躍から学ぶべき教訓も教わることができます。たとえばこうだ。

弥太郎がまだ地下浪人の身分だったころ、彼は「将来自分は、世の中に名を成すだろう」と大風呂敷を広げていた。しがない地下浪人の身分である彼にいったいどうやってそんな道を築くことができるのか。しかしこのような大風呂敷を広げた人物は弥太郎だけではない。坂本竜馬や豊臣秀吉などがそうである。多くの歴史人物の生涯を紐解いていくと、偉人の多くが少年期を過ぎてからも、弥太郎のように大風呂敷を広げ続けているのである。
小さい頃の夢や大志を大人になってからも捨てずに実現を本気で信じていた。これが大成した偉人達に共通することなのである。

ほかにも、夢をかなえるためにはどうするべきか、弥太郎たちの例を踏まえながら人と会うことの重要性を説いたり、歴史にならって今後の日本は教育に投資すべきという著者の主張があったりする。こういうところが読んでいて非常に面白かったですね。

弥太郎は夢半ばにして病に倒れましたが、その夢は子孫に引き継がれ、ついに四代目によって美しい大輪の花を咲かせました。読めば面白いし、自分もやってやろうって気持ちになるし、彼らの人生に運命とか宿命っていうものを感じ、人間には自分ではどうにもならないけどすごいことがあるって感じることができます。私はいつも読みたい本をまず図書館で借りたり書店で読んでから、それを買うかどうかを決めるのですが、この本欲しい!と思いました。購入決定です(笑)。



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